この地に引っ越してきて数年経つ。
隣りの人とも顔を合わせれば話しはする。
おとなになったもんだ。数年前までアパート暮らしで自治会にも入らずゴミ捨てのときに見張ってる地元の頑固おやじに表面だけの挨拶しかしてなかったのに。
お隣さんが家の壁の塗り直しを考えていると言う。
この時奥さんと一緒だったのでボクは隣で聞いてうなずいてるだけ。
聞いてもいないのに金額言ってくる。100万円かかると言ってた。
安いじゃん。やっちゃえばいいのに。
心の中で思った。
ボクの奥さんが言う「100万円もかかるんじゃ塗りなおしだけじゃないでしょ」
ボク以上にお金を使いまくってる奥さんが「100万円も」と言った。これは高いのか?
お隣さんは塗りなおしの他にあれやこれやも一緒にやるからだと説明。
なるほど。普通はそんなにかからないのか。
なにしろ家を建ててまだ修理・修繕したことないし相場がわからない。100万円など普段持ち歩いてるくらいのお金だから「今すぐ払うよ」くらいの感覚。
自分にとっても大金だったはずだがその気持ちを忘れてしまった。
お隣さんは壁の塗りなおしをするかどうかとても悩んでいると話す。「ポンと出せる金額じゃないからねぇ」と。
耳を覆いたくなった。その場から居なくなりたかった。
やばい!金銭感覚の狂いに自覚がない。
なんとなくは前々から気づいているのだがあらためてそう思った。


